投資手法

 

市場金融市場における価格形成は、投資家心理や資金需給動向、税制、会計制度などの季節的な要因から一定の影響を受けるものと考えられる。こうした季節的に生じる影響が価格動向に一定の季節性を生む原因になっている可能性が高い。このような価格の季節性をうまく利用できれば、投資成果の向上に寄与するものと考えられる。

GDP Nowの発表タイミングとトレンド
GDP Nowは足元のGDP動向を推定する指標であり、速報性が大きな特徴となっている。そうした速報性は株式市況の説明変数として大きな利点となる。また、経済指標発表日に株価が一定方向の動きをするのであれば、発表頻度の高いGDP Nowは、アノマリーとしての価値も大きい。こうした観点の下、本稿では、GDP Nowの値が過去の平均値から乖離している場合、その後の株価動向にどのような影響を及ぼすのか、という点やGDP Nowの発表日に株価が特定の方向に動く傾向がみられるのかどうか、といったカレンダー効果の有無について検証した。
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金融環境指数(NFCI)と株価騰落率
近年、金融緩和的な環境が続いてきたが、それも徐々に中立方向へ向かいつつある。このような環境下にあって、株式市況をはじめとした資産価格にはどのような影響が出やすいのか、検証する。具体的には、NFCIを用いて金融環境を把握することで、将来の資産価格を予測することが可能であるかどうか、確認していく。本稿の分析の結果、直近の金融緩和縮小によって、資産価格はこれまでより上昇しにくくなっていることが判明した。
171-金融環境指数(NFCI)と株価騰落率.pdf
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ブラジル市場におけるドローダウンの抑制
新興国の株式市場は長期的な期待リターンが高く、アノマリー効果も大きいため、魅力的な投資対象である。ただ、こうした魅力は、新興国市場の価格変動リスクの大きさによって大きく削がれる。逆に言えば、価格変動リスクを抑制しうる投資手法があれば、利用価値は高い。そこで本稿では、新興国市場におけるドローダウンの抑制方法を検討し、投資リスクの低減をめざす。
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モメンタム効果とカレンダー効果
モメンタム投資を行う際、適切な参照期間や、モメンタム投資とカレンダー効果の関係が重要となる。本稿では、日本株市場を例にとり、これらの関係について分析を行う。本稿での分析の結果、順張り投資とカレンダー効果を適切に組み合わせることで高いリターンが得られる可能性が示唆された。
131-モメンタム効果とカレンダー効果.pdf
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ドル建て日本株市況のカレンダー効果
近年、日本株市況と為替市況の連動性が高まっている。これは一時的な現象というよりは、当面継続するものと考えることが妥当である。そこで、本稿では両者を統合する形の”ドル建て日本株市況”を分析対象とし、カレンダー効果の検証を行う。本稿の分析の結果、ハロウィン効果や月替わり効果(TOM)が特に有意な結果を示した。
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ブラジル株のテクニカル指標
本稿ではブラジル株式市場におけるテクニカル指標の有効性について検証する。テクニカル指標を分析する際には、順張り戦略と逆張り戦略のいずれが有効であるのかという点や、過去の株価を参照する際の期間として適切な期間はどの程度の期間であるのか、という点などに焦点を当てた。本稿の分析の結果、ブラジル市場ではテクニカル指標を単独で運用手法として利用するで、一定の超過収益を得る可能性はあるものの、カレンダー効果と比較するとそのレベルは見劣りすることが判明した。
124-ブラジル株のテクニカル指標.pdf
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株価騰落率から見た将来の予測可能性
過去の株価騰落率の情報を基に将来の株価を予測する際には、株価騰落率の測定期間が予測結果に大きな影響を及ぼす。本稿では過去の株価騰落率に対する順張り・逆張りを例にとり、株価騰落率測定期間がテクニカル分析のパフォーマンスに及ぼす影響を検討する。本稿の分析の結果、過去5日間以下の短期の株価騰落率を利用する場合には逆張り指標として利用することが望ましく、25日間以上の株価騰落率は順張り指標として利用することが望ましいことが確認された。
113-株価騰落率から見た将来の予測可能性.pdf
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GDP Nowから見た投資家の過少反応と過剰反応
特定の経済データに対して、投資家の過剰反応や過少反応が見られる場合、その後の株価推移には一定のトレンドが生じる。また、こうした過剰反応および過少反応がバリュー株効果の原因になっている。ただ、実際にどの程度の過剰反応または過少反応が見られるのかという点については、現実のデータを分析してみる必要がある。本稿では、アトランタ連銀が作成しているGDP Nowを利用し、投資家がどの程度の過剰反応や過少反応を示しているのか分析する。
108-GDPNowから見た投資家の過剰反応.pdf
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株価乖離率とその後の株価パフォーマンス
過去の株価パフォーマンスには、将来の株価パフォーマンスを予測する能力があることは行動ファイナンス分野の先行研究により実証されている。また、現実の投資においてもテクニカル分析とよばれる手法は広く用いられている。本稿では移動平均からの乖離に着目し、その後の株価リターンの予測可能性を検討する。本稿の分析の結果、75日程度の移動平均乖離率を利用すると比較的高いリターンが期待できることなどが判明した。
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内閣支持率と株価動向
株式市場の市場参加者の間では、内閣支持率が高い局面で株価が上昇するという「内閣支持率と株価との相関関係」が語られることがあるものの、アカデミックの世界ではこの手の議論はこれまでほとんどなされていない。本研究では、内閣支持率と株価騰落率との関係について分析を行い、同指標を株価局面判断指標に利用しうる可能性について検討を加える。本研究の分析結果によれば、内閣支持率がある程度高めの水準であれば、その後の株価は堅調な推移をたどる可能性が高いことが明らかとなった。
81_内閣支持率と株価騰落率.pdf
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回帰分析によるカレンダー効果の予測
株式市況は、投資家心理や資金需給動向、税制、会計制度などの季節的な要因から一定の影響を受けている。こうした季節性をうまく利用できれば、投資成果の向上に寄与するものと考えられる。本研究では日米香港の株式市況について回帰分析を用いて、カレンダー効果による騰落率予想を行う。
68_回帰分析によるカレンダー効果の予測.pdf
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順張り戦略に基づく投資資産選択効果の研究
株価のトレンド分析などのテクニカル分析を用いることで、将来の株価が予測可能であることは、行動ファイナンス分野の先行研究により実証されている。これまでの研究によれば、1ヶ月以下の短期株価リターンや3年以上の長期株価リターンは、将来の株価に正の方向に影響する一方で、過去12ヶ月間のリターンは将来のリターンとは反対方向に影響するものとされている。こうした先行研究を受け、本研究では順張り指標を利用して、各時点で有利な投資対象資産を選択する投資戦略について検討を行う。
65_順張り戦略による資産選択.pdf
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カレンダー効果とテクニカル分析への重み付けの考察
“ハロウィン効果”や“月替り効果”、“週末効果”などのカレンダー効果や、株価のトレンド分析などのテクニカル分析はいずれも近年、学術的にも一定の認知が与えられつつある。こうした状況を受け、本研究では、株価騰落率の説明変数として、複数のカレンダー効果および株価のトレンド指標を用いる回帰分析を行うことで、個々の説明変数に対する重み付けを推計することを目指す。
64_カレンダー効果とテクニカル分析への重み付け.pdf
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日米市場における景気局面ごとの株価季節性の比較
“ハロウィン効果”や“月替り効果”、“週末効果”などのカレンダー効果は、景気局面によってそのインパクトが異なるようだ。本研究では、日本および米国市場について、景気指標とカレンダー効果の大きさの関係について分析し、資産運用戦略への応用を示唆する。
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株式市場における夏季TOM戦略
ハロウィン効果はカレンダー効果のなかでも、パフォーマンスの高さとその安定性が際立つ存在である。ただ、ハロウィン効果によれば株式保有を避けるべきとされる夏季においても、他のカレンダー効果を利用することで、一定のリターンを得られる可能性がある。本研究では、夏季の株式市場においても有効と考えられるカレンダー効果について検討する。
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夏季の為替投資戦略: 豪ドル市況の例
金融市場においては、テクニカル指標による価格予測が可能であると考えられているが、その予測能力は季節によって大きく異なる。本研究の豪ドル市況の分析によれば、夏にはテクニカル投資指標の有効性が大きく低下する。したがって、夏の間は無理にポジションを取ろうとせずに、ゆっくり休養をとることが望ましいだろう。
48_夏の為替戦略.pdf
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為替市場における“夏季週末・長期逆張り&短期順張り戦略”
外貨投資を行う際に考慮すべきアノマリーは、キャリー取引、ハロウィン効果、テクニカル指標の3点であると考えられる。本研究では、高金利通貨への投資によりキャリー取引のアノマリーを得という制約条件の下での投資手法を検討する。すなわち、ハロウィン効果を享受し、高金利通貨への投資が正当化される冬ではなく、夏の期間にテクニカル指標を用いてアノマリーを得ることができるのかどうか、という点の分析に焦点を当てる。本研究の分析により、夏の期間であっても、“長期テクニカル指標の逆張り戦略”と“短期テクニカル指標の順張り戦略”に曜日効果を組み合わせることで、プラスのアノマリーを期待しうることが示された。
42_夏季週末長期逆張り短期順張り戦略.pdf
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米ドル市況における短期逆張り指標の季節性
本研究では、米ドル/円市況を例に、短期テクニカル指標の影響について、カレンダー効果との関連を分析する。本研究の分析の結果、テクニカル指標の有効性は内外金利差などの投資環境や季節性から影響を受けているものと考えれることが判明した。このため、短期テクニカル指標を単独で用いても大きな投資成果は得にくいものの、内外金利差やカレンダー効果を考慮することで、リスク調整後のリターンを向上させ得る可能性が認められた。
37_米ドル市況における短期逆張り指標の季節性.pdf
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利食い千人力: 豪ドル市況における短期逆張り戦略の利用
本研究では、豪ドル/円市況を例に、短期テクニカル指標の影響について分析し、これとカレンダー効果を併用した投資戦略の有効性について検討する。分析の結果、為替市場において短期逆張り指標とカレンダー効果の有効性がともに確認された。こうして得られた逆張り指標を利用すれば、カレンダー効果のみを利用するケースに比べてリターンを向上させ得ると考察される。
36_利食い千人力(豪ドル市況における短期逆張り戦略).pdf
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テクニカル指標が為替市場のカレンダー効果に及ぼす影響
本研究では、豪ドル/円市況を例にとり、テクニカル指標がカレンダー効果に与える影響について分析を行なう。分析の結果、為替市場においてもテクニカル指標はカレンダー効果に影響を与えている可能性が高いことが明らかとなった。また、豪ドル/円市況において有効な逆張り指標が存在することも判明した。こうして得られた逆張り指標を利用すれば、カレンダー効果のみを利用するケースに比べてリターンを向上させ得ると考察される。
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為替市場のカレンダー効果
本研究では、豪ドル/円市況を例にとり、為替市場におけるカレンダー効果の有効性について分析を行なった。この結果、ハロウィン効果のほか、月替り効果、週末効果などが有効であるものの、新月効果はあまり有効ではないことが判明した。こうした分析結果を受けて、我々は“冬除く月曜日+TOM”戦略という投資手法を提案し、そのリスク調整後のリターンが単なる“冬除く月曜日”戦略よりも高くなることを確認した。
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株価の季節調整とモメンタム戦略
行動ファイナンス分野を中心とした先行研究によって、“順張り戦略”や“逆張り戦略”といった過去の株価トレンドを利用するテクニカル投資手法の有効性が認知されつつある。一方で、株価には“ハロウィン効果”や“月替り効果”、“週末効果”などのカレンダー効果と呼ばれる季節性があることも知られている。本研究では、こうした株価の季節性を調整した季節調整後の株価水準を利用することで、テクニカル投資手法の有効性向上を目指す。
27_株価の季節調整とモメンタム戦略.pdf
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株価トレンドがカレンダー効果に与える影響
行動ファイナンス分野を中心とした先行研究によって、“順張り戦略”や“逆張り戦略”といった過去の株価トレンドを利用するテクニカル投資手法の有効性が認知されつつある。一方で、“ハロウィン効果”や“月替り効果”、“週末効果”などのカレンダー効果と呼ばれるアノマリーの存在にも注目が集まっている。そこで、本研究では株価トレンドとカレンダー効果の双方を考慮したアノマリーの分析を行う。
25_株価トレンドがカレンダー効果に与える影響.pdf
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カレンダー効果による期待収益率の予測
株式市場にカレンダー効果が存在するのであれば、その組合せに応じて、各時点における期待収益率を計測することが出来る。こうした前提の下、日本市場および香港市場の株式について期待収益率をもとに投資する場合の投資成果を計測する。本研究の分析の結果、カレンダー効果を利用した期待収益率の予測を利用することで、投資収益を高めることが可能であることが確認された。
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節税行動に伴うトレンドフォロー戦略の有効性
 投資家の節税行動は株価形成へ大きな影響を与えるものと言われている。すなわち、税務上の年度末にあたる12月には含み損を抱えた株式を売却して実現損とすることで、課税額を小さくする行動が取られる。結果として、12月にはこれまで下落してきた敗者株が更に下落しやすく、逆に上昇してきた勝者株は上昇しやすい傾向がある。こうした投資家行動が多国間の株式投資にも影響を与える場合の結果について検証を行う
17_節税効果に伴うトレンドフォロー戦略の有効性.pdf
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カレンダー効果の組合せによる投資成果向上の可能性
株式市況には、季節的な周期性がみられる。株価に季節性が生じる原因は、投資家心理の周期的な変化や季節的な資金需給動向、税制、会計制度などが考えられる。例えば、「ハロウィン効果」や「新月効果」「月替り効果」、「週末効果」などが知られている。こうした周期性を利用できれば投資成果の向上を図ることが可能になるはずだ。そこで本研究では、4つの季節性アノマリーの組合せによって、どの程度の投資成果の改善が期待できるのか検証する。
16_カレンダー効果の組合せによる投資成果向上の可能性.pdf
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アノマリー研究所

    ( Since 2011.11)

 当面は、カレンダー効果を中心に分析していきます。 

 

 

これまでの分析結果を分野別に編集し、書籍風にまとめてみました。(2016.3)